青森の写真たちと、あたらしいカメラ。

青森に行ったのは五年まえ、ちょうど二十二歳になる月の頭。そのときに撮った写真をふと見返すことがあった。ずいぶん膨大な量があって、すべて見終えるといっしょに見ていた彼女とふたりで息を吐いた。 「まるっと旅行に行った気分。もう行く気が失せちゃっ…

ブログ休業中のこと―走り書き―

「写真次元」という名前で書いているこのブログだけれど、一月末から三月末まで小説を書いていた。 小説を書いているあいだはブログが止まっていました。毎日、一回のブログで書く量の倍以上、小説の文章を書いていたから、ブログに回す力がなかった(書きた…

雑でもよければ近況を。

一期一会。 この言葉は思っている以上にシビアだと思う。死ぬまでにちゃんと自覚できるのか、自信がなくておそろしい。 そんなことを考えながら、今日、ひさしぶりにフィルムで写真を撮った。実際どれくらい期間が空いたのかはわからないが、フィルムを装填…

2月6日は…

・今日はZARDの坂井泉水さんの誕生日。今年で51歳になるよう。 ・高校から家に帰ってきたら夕刊の一面に死亡記事が載っていた。なにがショックだったって、それまで知らなかった本名と年齢がかっこにくくられて書いてあったこと。 ・誕生日だと思いだしたの…

交点

今年は文章を書くと決めてから写真を撮るペースが落ちていた。ほんとうはきちんと両立できるのがいいのだけれど、なかなかむつかしい。特に写真はフィルムのスキャンに時間がかかる。デジタルで撮ることができればそんな手間も省けるし、だいたいフィルムで…

散りゆく意識の言葉

・小説を書きはじめてみるも「これじゃない感」がすごい。 ・たぶん、自分が書きたいものというか、書けるものとずれているんだと思う。ほんとうはもっと短いものでいいのだと思う。小説を書くべきひとには書くべきひとなりの意識やからだがある。ぼくの意識…

長くてめずらしきスーツの午後

先日、新しいお仕事の面接があって、帰ってきたら鍵がなかった。同居人が帰ってくるのはざっと4時間後くらい。お昼ごはんも買ってきたのに…と考えても仕方がないので、買い物袋はドアノブにかけておき、仕方なくスーツ姿で近所をうろうろすることにした。 …

四月歌という名前をもって

今回は美術作家、杉戸洋の作品集『April Song』について書く。すぐ手元にその本があったので。 といって、べつに適当に選んでいるわけではなく手元にあるというのは知らず知らずのうちに読み返しているということで、それに最近気が付いて自分でも驚いたので…

文章を書く年、あけました。

新年明けまして。明けました。 今年に入って文章というかテキストというか、そういうものを本腰を入れて書きたくなった。 はっきり「こう!」と言える理由はないのだけれど、ほんとうはある。自分にしかわからない理由――このまま特にぐぎゃんとへし折られた…

酔った帰り道はなぜかたくさん写真を撮っている。たとえばこんな写真とか、

今年最後の月も、残り数日となった。 普段はそれほど疑り深い性格ではない(と、思っている)のだけれど、「どんどん時の流れが速くなっているように感じる」という、よく聞く言葉にたいしてはずっと否定的というか、うなずけないでいる。それを言うなら僕は…

「エターナル」な世界

新しい写真集のデータを入稿した。 制作に入ってからおよそ3週間かかった。早いと言えば早いけど、少しもたついたかなという感じもする。最初に「こういう写真集」と思っていたかたちとは違うものになった。タイトルだけは変わらなかったが、それはそれで意…

確かなあれこれ、それ

写真集、鋭意制作中… とはなかなかいかず、何が忙しいのかわからないけれどばたばたしている。基本的に暇人の部類に入るうえ仕事すらしていないのに、さすがは師走というか、暇人すら走らせるのが12月というものらしい。 ここ1週間ほど、写真集で使うであろ…

ちょっと落ち着いてください。

職探しやら写真集製作をさぼってこのブログを書いている。 昨日、職探しのことでうちの女の子に「もう少し落ち着いて考えたら?」と言われた。ぼくは「いつでも働けるな、働くぞ!」という気持ちのままとりあえず気になったところに電話を掛けてみようと思っ…

晴れて無職な潜在意識

アルバイト先の書店が休業ということで、ここ10日ほどそのための整理整頓(商品の返品など)をせっせとこなし、29日をもってその作業が終わった。 つまり30日から無職になった。 面接前から条件として今年の11月いっぱいまでということは告げられていたので…

冬のF2、アスファルト。

相変わらずひりひりするね。 最近また写真が変わってきている。 簡単に言えば、日の色が変わってきたというか、冬の光になってきたということなのだけれど、それとともにまた少しうちのカメラのレンズの特性に合った写真に近づいたという感じがする。研ぎ澄…

どんな空気を吸いたいのか

11月は職場も自宅も引っ越しの季節となっていて、少し疲れている。 今までその場所にあったものをひっくり返して確認して仕分けして移動させて…という作業はただの作業に終わらず、どこか自分のこころのなかも引っくり返している気分になる。底に溜まってい…

メモ

・生きてるだけでひりひりする。だからものをつくったり写真を撮っている。 ・他の人の写真と自分の写真の違いがよくわからない。プロもアマも。それで強気になったり弱気になったりする。カメラはぼくより賢いから、違いはちゃんとわかってる(と思う)。 …

下書きリカバリ

下書きしていた記事が消えた…最近光っているものばかり撮っている話を書いていたのだけれど、2度は書けないかなあ。根気みたいなものがないんだよね。残念。 まあでも、ちらっと書いておこう! 最近ピカッと光っているものばかりに目がいって、そんなものば…

文章でもなんでも注いでしまえ

文章を書くって難しい。 当たり前のことですね。ほんとうに難しい。書いているとどんどんどんどん糸が(意図が?)絡まっていくような気がしてね、「ここもうちょっとどうにかならんか」とか思って削っていると妙に淡白に感じたり、かと言って長けりゃいいわ…

ピカチュウ次元

すでに2か月ほど前になってしまうが『劇場版ポケットモンスター キミにきめた!』を観に行った。 ポケモンの劇場版を劇場で観るなんて何年ぶりになるのか、記憶ではセレヴィの出てきた映画(わざわざタイトル調べたりしないよ、ごめんね)が最後じゃないかと…

理想の写真

カメラ屋さんで写真を現像しているあいだ近くのマクドナルドでコーヒーを飲んで過ごすことが増えている。昨日もそのようにして時間を過ごしていたのだけれど、店内中央の席から窓の外の風景を見ているととても静かできれいに見えた。でもって「こういう写真…

雑記 171023

まとめて記事にする根気が今日はないので、雑に書き散らします。 ・川上未映子責任編集『早稲田文学増刊 女性号』を手に入れた。たまたま川上未映子のインタビュー記事を見たときにこの雑誌のことも書いてあって、実物を手に取って見てみたいなと思ったがま…

なんにもないや

いつまで写真を撮ることができるのだろう、とよく考える。 今、自分と写真はいわゆる共生関係の状態にある。ぼくは写真に生かされ、ぼくの写真はぼくに生かされている。ぼくが写真を撮らなくても写真は世界中で撮られ続け、増殖し続けるけれど、ぼくの写真は…

Nikon F2 Photomic

占いがすきで、石井ゆかりの占いをよく見ている。 その占いによると、どうやら10月10日は木星がぼくの誕生日星座である天秤座から蠍座に移るタイミングであったらしい。 木星は昨年の9月に天秤座入りして、それから今日までの1年間は今後12年かけて取り組ん…

スタイルと生活

現在のぼくの1か月あたりの撮影量はフィルム13~15本、枚数にすると400~500枚程度になる。正直あまり多いとは言えない。つい最近のインタビューでアラーキーは1日に3本撮ると言っていたけれど、1か月に換算すると約90本、ぼくの6倍以上撮…

季節の変わり目

写真をやり始めてよかったことは、四季の変化に敏感になったこと。 もっと言えば、一日一日の変化に敏感になった。「あれ?今日は昨日に比べると日差しがやわらかいな」とか、「急に湿気が強くなってきたな」とか、「においが変わった」とか、そういうような…

26歳になったけれど、まだまだ生きなくてはならないし。

先日26歳になった。 年を取るほど特別に感じることがなくなってくる誕生日。わくわくすることもそわそわすることもない。けれどここ数年、誕生日のたびに思うことは「よく~年も生きることができたな」ということである。今年であれば「よく26年も生きてこれ…

写真と小指

もう2週間以上なるのか、東京都美術館で見たアラーキーの展示。 その中の写真「近景」を見て「あ、自分はこういう風に撮りたいんだ」というヒントを実践しようと写真を撮っている。 ヒント、と言ったってそれはほんとうに感覚的なもので、他人に説明するよう…

ぼくは怒ったんだ。

昨日記事を書いたばかりだけど、今日も腹の虫というか胸の虫というか、とにかく気持ちが収まらず、からだまで変な具合になってしまっていたので、もう一度見知らぬおじさんに「死ね」と言われた話を書く。 正しくは「お前に生きている価値はないから死ね」と…

「死ね」と言われて失格写真家

飲み屋さんで見知らぬおじさんに「おまえは生きている価値がないから死ね」と言われた。 他人に言われずとも多感な時期、自分に何度も突きつけてきたような言葉なので「そういえば自分はそういう人間だったなあ」となった(というか、いまだに「生きてる価値…