冬のF2、アスファルト。

相変わらずひりひりするね。

 

最近また写真が変わってきている。

簡単に言えば、日の色が変わってきたというか、冬の光になってきたということなのだけれど、それとともにまた少しうちのカメラのレンズの特性に合った写真に近づいたという感じがする。研ぎ澄まされたというか。

 

前にも書いたように、うちのNikon F2 Photomicの50mmレンズは描写力は優れていても個性はあまり出さない控え目な性格で、なにもないことをなにもないというふうに淡々と捉えるのを得意としている(あくまでぼくが見たところの性格であるが)。だからなるべくクリアに、的確にものを撮ることを自然と意識して写真にしてきた。ムードや空気感というものを撮るというカメラではない、というのがぼくのこのカメラに対しての見解だったのだと思う。

 

ぼくのNikon F2が一番得意としているのは、なんといってもアスファルトの描写である。何を撮ってもきれいに、しっかりと写してくれるレンズだけれど、アスファルトの描写だけは「淡々と」というトーンを超えて踏み込んでいる感じがする。見るとギョッとするのだ。特に最近は太陽の高度が低いのでアスファルトに鋭角に日光が射し、朝から夕方までほとんどずっときらきらしている。おかげで「はっ」とする機会が増え、レンズを向ける頻度が多くなっている。「アスファルトを撮っているなんて病気だよ」と職場の先輩に言われたが、自分としては撮らないわけにはいかない撮影対象のひとつである。

 

そういうわけで、最近はどうもアスファルトを撮っていることが多いのだけれど、カメラに合った写真に近づいていくとともに、少し窮屈感を感じてもいる。自分が考えるNikon F2での理想的な写真というのが大体固まってきているからかもしれないが、写真に対して視界が絞られ過ぎている気がするというか「もうちょっと違う写真も撮っていいんじゃないか?」という気分である。幸いカメラは他にもいくつかあってホコリをかぶっているので、久々に違うカメラを使ってみようかな。なんだったらまたコンデジを持ってバッサバッサと撮り倒していってもいいし、よく見たらハーフサイズカメラもある。思えばここ数カ月は絞る作業ばかりしていた気がするので、気晴らしというのでもないけれど、遊ぶような気持ちで違う写真と触れ合ってみたい。まあ、遊ぶというのが最も苦手なことのような気もするが…。

 

でも写真集も作りたいね。年末だし、一応今年の集大成となる一冊を作りたいし、今のところ作る予定です。人に見せる機会はないかもしれないけれど…人に見せることもちゃんと考えていきたい。すごい写真がいっぱいあるのに、自分の表現力がなくて手元で腐っていくのはなかなかにかなしいので。

 

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